「健康経営アドバイザー(初級)」とは何か?【なんと合格率99%】
こんにちは。
先日、健康経営アドバイザー(初級)の資格を取得したやすまさです。
受験を申し込む際に、あまりこの資格についての情報が出てこなくて困ったので、健康経営アドバイザー(初級)がどんな資格なのかをまとめます。
健康経営アドバイザー(初級)とは?
健康経営アドバイザー(初級)とは、健康経営アドバイザー制度の一環として運営されている資格になります。
健康経営アドバイザー制度とは、東京商工会議所が行なっている、健康経営に取り組みたい中小企業を対象に、健康経営アドバイザーを原則無料で派遣する制度です。
中小企業診断士、社会保険労務士、保健師などの専門家で、かつ健康経営に関する知見を持った人材を無料で派遣してもらい、アドバイスをもらえる制度となっています。
詳細は以下の資料を参照ください。
今後は「健康経営アドバイザー(上級)」の有資格者が派遣されるようにしていくことにしていくものと思われます。(上まだ資格の運用が開始されていない)
より基礎的な部分に限定し、対象を一般のビジネスパーソンにまで広げたものが「健康経営アドバイザー(初級)」の立ち位置だと思われます。
オフラインの講座と、eラーニングによるウェブの講座、どちらで取得することも可能です。
講義を受けて、最後に10問の効果測定テストを行い、70%以上正解だと合格。
カード型の認定証が郵送されてきます。
有効期限は1年間なので、更新するためには再度講座を受ける必要があります。
受講者には、別途送付する「初級テキスト」に基づいて、音声付スライドで作成された約2時間20分のカリキュラムを視聴していただきます。
視聴後の効果測定で7割以上正答した受講者を「健康経営アドバイザー(初級)」として認定し、認定証(カード)を発行します。
健康経営アドバイザー(初級)の認定期間は1年です。
昨年認定されたアドバイザーの皆さまは、更新研修としてもご利用いただけます。
(東京商工会議所のニュースリリースより一部抜粋)
健康経営アドバイザー制度が設けられた社会背景
- 中小企業に健康経営が普及していないこと
- 現場で健康経営を実施する具体的なノウハウが不足していること
この2点を背景に、健康経営アドバイザー制度が作られました。
2018年現在は、特に従業員数50名未満の中小零細企業において健康経営が普及していない印象を受けます。
産業医の選任やストレスチェックの実施が義務化されていないためです。
このような中小企業で健康経営を推進していくことを後押しするために、広い対象層の人が健康経営を体系的に学ぶ機会を設けようという意図で資格が作られているのだと思われます。
そのため、講義内容も中小企業についての言及が多いです。
講義内容のアジェンダ
#01 受講ガイド
#02 はじめに
#03 第1章 健康経営の背景 ①日本が抱える構造的課題
#04 第1章 健康経営の背景 ②政策・法制度の後押し
#05 第2章 中小企業の現状と課題 ①中小企業の特徴と構造、強みと弱み
#06 第2章 中小企業の現状と課題 ②中小企業における「人」の課題
#07 第2章 中小企業の現状と課題 ③中小企業の「健康課題」
#08 第3章 健康経営に取り組むために必要なこと ①経営理念
#09 第3章 健康経営に取り組むために必要なこと ②組織体制
#10 第3章 健康経営に取り組むために必要なこと ③制度・施策の実行
#11 第3章 健康経営に取り組むために必要なこと ③制度・施策の実行
#12 第3章 健康経営に取り組むために必要なこと ③制度・施策の実行
#13 第3章 健康経営に取り組むために必要なこと ③制度・施策の実行
#14 第3章 健康経営に取り組むために必要なこと ③制度・施策の実行
#15 第3章 健康経営に取り組むために必要なこと ④評価・改善
#16 第3章 健康経営に取り組むために必要なこと ⑤法令遵守とリスクマネジメント
#17 第3章 健康経営に取り組むために必要なこと ⑥社外リソースの活用
#18 効果測定
#19 決意表明
- 中小企業に特化していること
- 制度・施策の実行についての内容が充実していること
- 決意表明があること
あたりが面白いポイントかな、と思います。
推定合格率99%超え!(初級)は3時間ですぐ合格できる
あくまでeラーニング(オンライン版の講座)の結果でしかないが、受講者全員の進捗率、平均スコア、合格者数のデータをみることができたため、合格率を推定してみました。
受講している人のほとんどは、進捗率100%にできていることが分かります。
3時間かからずに終わるので、完走者が多そうです。
平均のスコアも99.3%と、非常に簡単であることが分かるかと思います。
こちらは効果測定(最後のテスト)の結果です。
#17の講座の実施率が70%(1,874人/2,685人中)。
そして効果測定の合格率が69.6%(1,869人/2,685人中)でした。
つまり、おそらくですが1874名が受験して、5名だけ不合格になっていると予測できます。
実質合格率を推定すると99.7%です。
最後は、決意表明をしないといけない!
効果測定で7問以上正解すると合格になり、決意表明に進みます。
めっちゃ真面目な資格ですね。
ちなみに僕は以下のようなコミットメントを書いて提出しました。
健康経営アドバイザーとして、中小企業の産業保健活動の実施を支援し、労働者のメンタルヘルスに問題を解決して1人でも多くの人が生き生きとやりがいを持って働くことのできる組織創りに貢献していきます。そのために、「健康経営」と「人事労務」のプロとして、組織課題を解決できる人材になり、1つ1つの組織の理想と課題に丁寧に寄り添い、組織の理想を共に実現していく仕事をしていこうと思います。
恥ずかしい…。
とても良い教材だったので、受講したら意識が高まり、こんな感じで強めの決意表明したくなりました。笑
TOEICとかも、英語を学習する目的をコミットメントさせたら面白くなりそう。
教材が非常にロジカルで分かりやすい !
驚いたのが、テキストが非常にロジカルで分かりやすかったことです。
抽象的な概念だけでリアリティーのない資料なのかと思いきや、、、
丁寧に事例までまとめてくれています。
受講の申し込みをすると、写真の通り3点セットが送られてきます。
- 健康経営アドバイザー初級テキスト2017
- 健康経営アドバイザー研修(初級)(講義のスライド資料です)
- 健康経営ハンドブック2017
ちなみに、健康経営の事例集である健康経営ハンドブックは、HP上に公開されていて、PDFでダウンロードすることができます。
eラーニングでも、ストレスなく効果的に学習できる
eラーニングというと、学習ツールが微妙だったり、講義の動画の音質が悪かったりと、効果的に学習できないんじゃないかという懸念を持っていたのですが、全然そんなことはなかったです。
スライド資料を映した動画に、音声で淡々と解説されていく形になっており、非常に聴きやすく、理解も深めやすかったです。
また、システムのUIも優れていて、使いやすかったので特にストレスはありませんでした。
オフラインの研修だと、まとまった時間を取って会場に足を運ぶ必要があるため、それが難しい人にとってeラーニングはオススメです。
健康経営アドバイザーの資格を取得する魅力
- 「健康経営アドバイザー」と名乗れて箔が付く
- 合格率99%。3時間で誰でも受かる
- 健康経営を体系的に分かりやすく学ぶことができる
- 中小企業診断士、社労士などは、実務研修を受けて(上級)も取得すれば、健康経営アドバイザー派遣制度で中小企業に派遣してもらうことができる
実際に自分は、「健康経営アドバイザー」という肩書きがあったが故に、Webメディアの運営者の方から「健康経営について連載記事を書いてほしい」というご依頼をいただくことができました。
健康経営アドバイザーの資格を取得するデメリット
- 実務的な学びは得られない
- 難易度が低いため、この資格を知っている人に対しては箔が付かない
- 資格の更新頻度が1年に1回
- 5,400円かかる
基本的には、健康経営や産業保健活動に関心のある方にはとてもおすすめしたい資格だなと感じました。
デメリットをチェックした上で、5,400円を投資する意義がありそうだと思ったら是非取得してみてください。
eラーニング(web版)の受験情報
受験情報は、東京商工会議所のホームページに掲載されています。
■研修概要
(1)研修内容
健康経営アドバイザー(初級)は、健康経営の必要性を伝え、実践へのきっかけを作る普及・推進者です。
本研修では、健康経営が必要とされる背景、実践する際のポイントなどを学びます。≪目次≫
1.健康経営アドバイザー研修(初級)テキスト内容
第1章 健康経営の背景
第2章 中小企業の現状と課題
第3章 健康経営に取り組むために必要なこと
2.効果測定(選択式10問他)※Eラーニングの受講所要時間は概ね2時間20分程度です。
※新規受講・更新受講共に同一の内容となります。(2)募集期間
毎月2回 (①1日~15日、②16日~末日)(3)申込方法≪8月1日~開始≫
ウェブ受付※申込リンクは、本ページ内および「健康経営倶楽部」においてお知らせいたします。
(4)受講料金
5,400円(税込、テキスト代、登録料含む)※受講料金のお振込先等につきましては、お申し込み後に事務局よりEメールにてご案内いたします。
(5)受講期間
受講ID・パスワードが届いてから約2カ月の間にご受講ください。(6)受講方法
webが閲覧できるPC・タブレット・スマートフォンにてご受講頂けます。
※スマートフォン等のパケット通信料はお客様負担です。
ご契約の料金プランにご注意のうえ、ご利用ください。(7)認定要件
1.本研修を受講し、効果測定が7割以上正答の方を認定します。
2.認定者には、健康経営アドバイザー(初級)認定証(カード)を送付いたします。
※本研修の受講により、東京商工会議所から健康経営支援のために企業に派遣される専門家として
登録されるわけではありません。
※認定期間は1年間です。更新には研修の再受講が必要です。
※「健康経営®」は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です(東京商工会議所のニュースリリースより一部抜粋)
健康経営アドバイザー(初級)認定証はこんな感じ
こうやって認定証がくると、やっぱり嬉しいですね。
オンライン受講の場合、認定証は合格から1ヶ月後くらいに送付されてきます。
僕の場合、2月6日に合格して、3月3日に自宅に郵送されてきました。
ちなみに、、、
事務局の対応もとても丁寧でありがたかったです
なかなか認定証が自宅に郵送されてこなかったため、もしかしたら合格になってないのかなと少し心配になり事務局にメールで問い合わせてみました。
いつ頃郵送されるかを聞いたところ、すぐに返信が来て、発送予定日を教えていただきました。
ありがたかったです。
こういう小さなところで丁寧に対応してくださると、信頼感グッと上がって、プロモーターになって、こういう記事書いたり、上級もチャレンジしてみようかなと思ったりしちゃうんですよね。笑
めちゃめちゃ意識高めなコミットメントをしてしまったので、健康経営アドバイザーとして中小企業での産業保健活動推進に寄与できるよう、今後とも頑張ります。
健康経営・産業保健にご関心のある方は、以下の記事も読んでいただけると嬉しいです。
余談ですが、健康経営アドバイザー(上級)について2018年3月に東京商工会議所に電話で問い合わせたところ、現時点ではまだ検討中で平成30年に開始予定ということと、対象が中小企業診断士や社労士などの専門家になるということ以外は未確定とのことでした。
<2021年11月13日追記>
健康経営エキスパートアドバイザーという名前で、健康経営アドバイザーの上位資格ができたため受験して無事取得しました。健康経営エキスパートアドバイザーについては下記にまとめているので、興味のある方はご一読ください。